宇宙の始まり【ビッグバンから物質の誕生へ】

宇宙

インフレーション その後

宇宙誕生から10のマイナス34乗秒後。

宇宙の急激な膨張がひと段落しました。

あっという間のインフレーションが終わり、しだいに宇宙の膨張が遅くなってきました(とはいえ、凄まじい速度で膨張は続きます・・・)。

ちなみに、この時の宇宙の空間サイズは1cm程度であったそうです。

この時、現在の科学においては、宇宙はビッグバンと呼ばれる灼熱の状態に変化したと考えられています。

なにも無かった宇宙が、なぜ突然、灼熱になってしまったのでしょうか?

宇宙誕生直後では、真空にエネルギーが満たされていたと考えられています。

インフレーションによる急激な膨張の結果、「真空のエネルギー」が「熱エネルギー」として解放され、宇宙が高温になったとされているのです。

諸説ありますが、宇宙は1兆度以上に達していたそうです。

『ウルトラマン』に登場する怪獣ゼットンは、1兆度の火球を放つことができ(るという設定があり)ます。

ゼットンが火の玉を放つとき、ビッグバンと同じぐらいの温度の空間が発生することになりますが、宇宙誕生と同じくらいの熱エネルギーを持つとすると・・・なんとも凄い設定ですね 笑

ゼットン自身の持つすべてのエネルギー量を考えると、宇宙全体のエネルギー量よりも多くなったりしないのでしょうか?

話を戻しますが、難しい説明は横に置いて、次の説明がとても納得感があったので紹介させてください。

「疾走していた車が急ブレーキをかけると、タイヤが摩擦熱で熱くなります。これは車の運動のエネルギーが、熱のエネルギーに姿をかえたからです。インフレーションが終了するときにも、これと同じようにエネルギーの移り変わりが起きました。」

出典:138億年の大宇宙 宇宙の天体と歴史がすべてわかる!(Newton)

なるほど、日常の現象に置き換えた説明ですごく納得しました。

さすがNewtonさん。

そして、宇宙に熱エネルギーが満ちていたとき、物質もまた新たに誕生していました。

物質の誕生

ビッグバンの際、膨大な熱エネルギーとともに誕生した物質、それは「素粒子」です。

素粒子にはふたつの種類があります。

ひとつが「粒子」で、もうひとつが粒子と反応すると消滅してしまう「反粒子」です。

粒子と反粒子は必ず対になってつくられるので,二つの粒子は厳密に同じ分量だけつくられました。

このまま、生まれた粒子と反粒子の数が全く同じであれば、お互いが反応・消滅し,後には何も残らなず、今のような宇宙には成長していないはずでした。

しかし、素粒子が誕生した後、何らかの理由で、粒子よりも反粒子の方が10億個に1個ほど少なかったために、宇宙のごく初期に反粒子はすべて消滅し、わずかに残った粒子が、現在の宇宙の物質のもととなったとされています。

宇宙誕生から10のマイナス4乗秒(1万分の1秒)後。

素粒子が生まれては消える一方で、少しずつ物質のもととなる粒子が多くなり、これらがばらばらに飛び交っていた宇宙に変化が訪れます。

ばらばらだった粒子同士が結びつき、「陽子」と「中性子」が誕生しました。

陽子の誕生、それは「水素」元素が誕生した瞬間でもあります。

厳密には、陽子の周囲を電子が回る状態にある水素「原子」が誕生するのにはもう少し時間がかかりますが、ようやく、私たちの日常生活にも馴染みのある物質が誕生しましたね。

また、さらに陽子と中性子が結びつくことまではできず、ヘリウムなどの他の元素が誕生するのはもう少し後になります。

コメント

タイトルとURLをコピーしました